キレーション

キレーションとは、キレート剤を点滴などの投薬によって体内に蓄積された有害な重金属を排出する治療です。
近年は環境問題や海洋汚染などによって、ごく微量ながら空気や食べ物に鉛や水銀が含有しており、知らず知らずのうちに有害な重金属を摂取しています。キレーション治療を行うことで代謝機能を改善させ、血流を良くして動脈硬化を予防する働きもあります。

キレーションの歴史

キレーション治療は、もともとは鉛中毒患者の治療として1940年代からEDTAキレーション治療としてアメリカで研究がすすめられました。1950年代には、この治療法が鉛中毒患者の狭心症も改善したことからさらに研究がすすみ、動脈硬化などの心臓・血管の疾病に対する治療として応用されてきました。認知度が進むにつれ、この治療に参画するドクターも増え、1970年代には学会が発足し、安全で効果的な EDTAキレーション治療が確立されました。この学会は現在のACAM(American College for Advancement in Medicine)として統合医療の最新情報を発信しています。

キレーション治療と効果

EDTA(エチレンジアミン四酢酸)と呼ばれる合成アミノ酸をビタミンやミネラルと共に定期的に点滴することによって治療します。EDTAが金属イオンをキール(ギリシャ語でカニのはさみ)のように掴みとり結合する性質から、キレーションという名前がついたと言われています。
EDTAキレーション治療は、有害金属を取り除く効果だけでなく、抗酸化作用により動脈硬化で固くなった血管を若返らせ、柔らかく血流の多い血管へと変化させます。
抗加齢医学の領域でキレーション治療が注目される理由として、このような動脈硬化治療効果や有害金属の除去による様々な変性疾患の予防と治療効果が期待できる点が挙げられます。
米国NIH(National Institutes of Health、国立衛生研究所)における大規模調査により、心筋梗塞再発、脳卒中発症、冠動脈血行再建、不整脈による入院の有無すべての観点で効果があったという論文が2013年3月27日、JAMA(The Journal of the American Medical Association)にて発表されました。

治療の流れ

検査と診察

キレーション療法を開始する前に、患者さまの動脈硬化度、活性酸素障害度などの検査を食生活を中心とした生活指導とあわせて行います。

キレーション療法

リラックスできる環境でゆっくりと時間をかけ(1〜3時間)点滴によるキレーション療法を週に1回実施します。

キレーション療法の継続

患者様の症状や目的によって異なりますが、おおよそ10~30週間、連続してキレーション療法を実施します。

再検査と診察

キレーション療法の実施後、動脈硬化度や活性酸素障害度がどのくらい改善したかを確認し、検査結果からさらにキレーション療法が必要かどうかを判断します。
その後、定期的に検査を行い、生活習慣の改善等のサポートを行います。